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Pendenza20%「飲み喰らい魔ー日記」 第2部

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2009年 06月 10日

ツールド宮古島レースレポート

結果 5位/出走100人位
タイム 4時間19分11秒 Ave 37.039km/h

4位のはずのセマスU沢選手が謎の失格で(おそらくスタートチェックをしなかったのでは)俺は6位から5位に繰り上げられたけど,実質6位だし,まあ5位も6位も同じだ.6位の選手は棚ぼただっただろうけど.

何より初キッズジャージで表彰台に登れて最高に嬉しかった.
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ちなみにジャージはレース後すぐにホテルで洗濯機&乾燥機にかけた(笑)

あまりにも充実して,悔しくも楽しかった160km
調子もよかったし,自分の持てる力は完全に出し切ったと思うから納得だけど,やっぱりあと一歩足りないことを痛感.
今回気持ちは最後まで持続したから要は脚が足りないってことだ(長さじゃないよ.笑)

使用機材 
フレーム   ビアンキーナ2号(FRECCIA CELESTE)
ホイール   コスミックカーボンSL
タイヤ    TUFO S3Lite クリンチャーチューブラー 10気圧くらい
ギア     53×11-23
重量     8.3kgくらい

補給食
カーボショッツ 6本
紅イモ饅頭1個(沖縄だけに)
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ボトルの1本はクエン酸パウダーとTOP10を入れ,もう1本は水

朝飯はおにぎり5個&スタート前にバナナ1本
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朝は4時半頃に起きて睡眠時間5時間弱
体調は良く脚も軽い
腰も踏めなくなるほどには痛まず最後まで何とかもった





100マイル(160km)の出走は約100名
天気は晴れだがスタート時は肌寒いほど(ゴール後は暑くてめまいがした)

目標は特に定めてなかったが,メンバー表にヒルクライムの超有名人,セマスのU沢選手がいて,勝つのは彼だろうと思い,その彼にどこまで付いていけるかを目標にすることにした.

(レース展開はうろ覚えなので距離やポイントの誤差あり)

7時スタートで7〜8kmのローリングスタートなので焦らず前方をキープ
来間島を回り橋を渡って戻ったところで本スタート.
スタート直後の落車に気をつけつつお決まりのロケットスタートする人に付いていく.
そのまま結構な勢いで緩い登り基調を進むが特にアタックがあるわけでもなく平良港辺りで集団がいったん落ち着く.

市街地からの登りでU沢選手を含む3〜4名が飛び出し,少し離れるが集団は落ち着いたまま.
マークするU沢選手を逃がすわけにはいかないから自ら先頭を引き,集団のペースを上げて前を追い詰める.
キッズ新井君の強力な引きもあり大浦湾辺りで逃げを吸収.
集団はいったん落ち着いてまったりムードになり紅イモ饅頭食ったりしながら呼吸を整えた.
するとどこやらの右折で誘導の旗振りがちょっと微妙なこともあり,ちょうど自分の前にいたU沢選手とナルシマの選手が道を間違えて真っ直ぐ行ってしまった.

自分は後ろからトライアスリート新井君が“Takaさん,右ですよ!”と言ってくれてギリギリで曲がれたが,彼ら二人は集団の最後尾に下がった.
まずは先頭を抑えつつ彼ら二人が先頭付近へ復帰するのを待った.

ほどなくして二人とも戻ってきたのでペースを戻す.
と,少しして緩い登りでU沢選手が単独アタックし20秒ほどの差がすぐについた.
さすがの彼でも一人では残り130km以上を逃げるのは無理だろうから放置してもいいんだけど,あくまでも彼とどこまで競えるかがテーマだし,集団で追いかけて吸収しては何の意味もない.

というわけで下ハン持ってケツ上げて単独で怒濤の追走(俺は馬鹿か!?)
ほどなくして彼の背後に付くと彼も諦めてペースダウン.そのまま集団に吸収された.

結局俺は得意のブリッジ役(笑)
U沢選手が何度か飛び出す度にすぐに付いてアタックを潰したから俺は多分かなりウザい存在だっただろう(苦笑)
こんなことをして序盤から脚を使うが,それはU沢選手も同じこと.
彼と同じように脚を使って競わなければ脚試しの意味がない.
しかし,ヒルクライムなら絶対に付いていけないような選手にも勝負を挑めるのがロードレースの醍醐味ってとこだろうか.(こっちが勝手に挑んでただけだが...苦笑)

そのままキッズ新井君,森田さん,山城さん,地元浜松の仲間トライアスリート新井君,ほか数人とローテーションしながら集団を引っ張る.
集団は安定して池間島へ渡る橋の少し手前の緩い下りで山城さんがすーっと前に出た.
しかし何故かその後ろに続く人がいなく,山城さんが10mほど前に飛び出す格好となった.
ちょっと疲れてたから自分が付くのは止めて放置していると山城さんがみるみる離れていくではないか!?

キッズ新井君に“山城さん,もしかして後が来てないのに気付いてないんじゃ!?”
なんて言いつつ放置すると山城さん何とアタ〜ック!
遠のいていく背中から心意気を感じ,心の中で“がんばれ〜!行け〜!”と叫んだ.
さらに地元トライアスリートらしき若者が一人で飛び出して山城さんと合流.
そこから長い長い二人の逃げが始まった.
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(当人の心理はtandegaさんのブログで)

池間島をぐるっと回り,島内で追いつくかと思いきや,それどころか差が広がった!?
チーム員が逃げてれば当然ペースをあげれない俺と新井君が集団を抑えてコントロールすることに.
別に戦略でもなんでもなかったが成り行き上そうなった.
まだ先は長いし,3分くらい逃がしてもいいかな?と思いマッたり走る.
心拍は100を切るくらいまで落ちサイクリングペース.
誰かイライラして飛び出したら追づいする心の準備はしていたが,何と誰も前に出ない.
みんな後半に備えて脚を貯めたいのだろう.
俺も序盤の30kmで大分遊んで疲れてたからちょうどいい骨休めになった.
そのまま差は開く一方でタイム差は1分50秒まで広がった.
山城さんを知っている俺と新井君はいいとして,“他のみんな,それでいいのか!?”と思うくらいに誰一人前に出ない.
とりあえず山城さんに行けるとこまで行っちゃってもらおうと集団をコントロール.
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“ああ,なんだかロードレースしてるなぁ”と妄想の世界に浸った(笑)
とにかく山城さんの勇気ある逃げのおかげで30分くらい休めたし,チームの結束力が高まったのを感じて力が湧いてきた.

その後,オートバイから“先頭1人,!”と聞き,新井君と“どっちだろう?”と顔を見合せ,しばらく迷いながら進むが,オートバイに確認すると先頭はピンクジャージらしい.
ということは山城さんは残念ながら切れてしまったようだ.
俺としては,山城さんの奥さんが沿道で応援してるポイントまで何とか逃げてくれと願いつつもペースアップ.
すると痺れを切らしていただろうU沢選手他数名がどんどんローテンションを始め一気にヒートアップ.
沿道に山城さんと下地さんの奥さんが見え,とにかく山城さんが単独で通過したことに心の中でガッツポーズ.
そして東平安名崎手前でついに山城さんを捕獲.
こうして山城さんの20kmに及ぶ長い逃げは終わりを告げた.
山城さんが下がっていく左側に寄って,肩をポンと叩いて“お疲れ様!”と声を掛けて勇気ある逃げを讃えた.
カッコ良かったぜ!山城さん!

さて,レースはいよいよ本格始動
東平安名崎からスタート&ゴール地点までの30kmはこのコースで一番厳しいアップダウンが続く.
100kmクラスはそれでゴールだが,100マイル(160km)はさらに周回路を回ってもう一度ここを通るから一回目は様子見といった感じか.
特にアタックはないが,皆登りでペースを上げてドドドっと登って行く.そしてホビーレースにありがちな下りや平坦で休んでしまい集団はまとまったまま.
少し集団を活性化させたかったこともあり,登りはちょっと控えめに着いていき,下りで何度も踏んでスピードアップを図った.
着いてくるのは俺の性格を知っているトライアスリート新井くんだけ.
アタックするつもりでもなく延々と踏み続けはしないから結局毎回集団に追いつかれ
るが構わず続けた(苦笑)
まあこれは“上位狙ってますよ”の意思表示みたいなものでもある.

そしてスタートから100kmを走りゴール地点に戻ってきて2周回目へ突入.
何かどこだったかよくわからないが,ゴール手前の最後の長い坂あたりで一人が逃げ,それにもう一人がついて逃げたらしい.(一人目は見たけど二人目は全く記憶にない)

ずっと先頭の10人くらいでレースをしてるつもりで,それまで全く見たこともない二人が飛び出したことに先頭付近は一瞬呆気に取られ(というか視界に入ってなかった),その隙に一気に差が開いた.
でも全然知らない選手だったし,なんだかジャージが超地味であまり速そうな走りにも見えなかったから一旦放置.

その二人がトライアスロンでは有名で,宮古島の走り方を熟知している二人で,しかもレース前から二人で計画した通りの作戦(100kmまで集団後方で脚を貯めて周回路で一気にアタックする)を遂行したなんてことを知ったのはレースが終わり表彰式の頃ですっかり後の祭りだった...

“まだ残り50kmもあるとはいえ,ちょっと追った方がいいんじゃないの?”と思い,
緩い下りの度にケツを上げてペースを上げるが集団はそれ以上回らず.
俺のアタックに付いてくるトライアスリート新井君に“なんちゃってアタックだから”と逃げる意思があるわけじゃないことを告げつつペースアップを図る.

そうこうしているうちに差が1分半くらいに広がり,さすがに集団内に焦りが見え,U沢選手を中心にペースアップ.
しかし差は縮まるどころか広がる一方で最大1分50秒まで広がり,優勝を狙っていただろうU沢選手が集団を仕切りどんどんペースを上げる.
彼の引きに集団はどんどん分裂し始め,30人くらいいた集団はバラバラに.

気が付くとW新井もいなくなってしまい,最終的に残ったのはU沢選手,ナルシマの人,キッズ新井くんのライバル(?)沖縄のIさん,そして俺と,後の二人はほとんどローテーションはできずツキイチなので正味4人で協力して前を追った.
とにかく全力でもがき続けないとローテーションに付いていけず,後ろについてるときでもいっぱいいっぱいで心拍は180を超えたまま1時間以上走ることに...

差は1分40〜50秒のまま,東平安名崎へ来ると折り返して来た先頭二人とすれ違う.
先頭は何と笑ってるじゃないか...そんなに余裕があることを知って意気消沈...
まだ残り30kmあるし,しかもアップダウンのきついパート.まだまだ追いつく可能性は十分にある.
U沢選手が“向こうは二人!こっちは六人!がんばりましょう!”と檄を飛ばす.
しかし,俺の心の中では“おぢさんの脚はもう限界だよゴメンねぇ”とつぶやいていた(苦笑)

とはいえ,ここまで来て諦めるわけにもいかないので脚が攣るまでもがき続けようと精一杯がんばるが実質ペースを上げれるのはU沢選手一人で彼もかなりキツそうだ.
今思えば奇しくも“トライアスリートvsローディ”という構図になっていた!?

そして残り20kmの長い登りで,先頭から下がりつつ最後の補給ジェルを口に流し込んでいたら,たまたまほとんどローテしてなかった二人の後ろまで下がってしまい,しかもそのタイミングでその二人が揃って足を止めてしまった!!!マジかよー!?
あっと言う間に前の三人と10mくらいの差が付き,慌ててジェルのゴミをポケットに押し込んで追走するが,そもそも攣りそうな脚でこの厳しい長い登りで加速できるわけもなく見る見る差が付いていく.
誰だー“宮古島はド平坦”だなんて言ってた奴はー!”なんて言っても始まらない.
そもそも前日の試走でこの坂はわかっていたし,試走中はインナーで登ってたくらいの坂だ(苦笑)
とにかくダンシングで必死に登り切り,下りでもがいて少し差を詰め,その次の登りからしばらくは30秒くらいの差をキープして前が落ちてくるのを祈りつつ耐えた.
しかし,ここへきての独走は心身ともにつらくスピードがどんどん落ちて行く.
インナーに入れたら気持ちが折れると思い,なんとかアウターで粘るが(無意味)アウターローでもう崖っぷち...

宮古島の美しい景色を見る余裕なんてないどころか,エメラルドグリーンの美しいはずの海が日本海に見えてきた(泣)

とにかく,現在6番手,もしあの3人に付いて行ってもスプリントする脚が残ってるわけないし,自分がここでするべきことは,このまま単独で6位でゴールして何としてもキッズジャージを表彰台に乗せること.
もしいつものように自分のジャージで走っていたら気持ちが切れて後ろの集団に吸収されていたかも!?
こーして20km個人TTが始まった.
“いつも夜練で走ってるように走ればいいんだ”と自分に言い聞かせるが,何しろ140km走った後の個人TTはそんな楽なもんじゃない(苦笑)
朝は涼しいくらいだったのにいつの間にか強い日差しが照りつけ頭痛はするし吐気もしてフラフラしてくる.
やはりここは日本海なんかじゃなく南国だった...

いつの間にか前の三人は見えなくなり,後ろの二人も見えなくなり完全に一人旅.
それでも後ろは何人かのパックだから油断すれば追いつかれるかも知れないからとにかく必死でペダルを踏む.
登りはフラフラと,しかし下りは体重に任せて全開で踏み込む.このためにトップギアに11Tを入れてきたのだ(笑)

残り10kmのキツく長い坂を越えると後はゴールまで多少のアップダウンはあるものの下り基調.
残り5kmの最後の坂を越え,後ろにはまだ誰も見えない.
少しホッとするがまだ力は緩めない.というか力は入ってないが踏んでるつもり.
残り2kmの看板を見て,“ああ,何とか入賞だ”と思い安堵感が押し寄せるがとにかくゴールまでは気を抜かず踏み続けた.
そしてついにゴールが見えた.
6位という微妙な順位にガッツポーズもバンザイも変だなと思ってるうちに下ハン持ったままゴールラインを切った.
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改めて見ると顔が死んでる(苦笑)

とにもかくにも,自分の入賞よりも“キッズジャージの表彰台”を喜び,
無理を言ってチームに入れてもらったことへの面目躍如に一安心.
できれば3位争いに食い込みたかったが,まだまだ力不足だったことを痛感.
でも,レース開始から最後まで終始集団の先頭でレースを動かし続けたことには自己満足してるし,160km4時間20分を思う存分楽しく遊べて最高なレースだった.

改めて,キッズの皆さん,そして先頭集団でがんばった皆さん,おつかれさまでした&ありがとう!
初めてチームの1人として走ったロードレースは今までのどんなレースよりも楽しかった.
これでまた練習するモチベーションも高まるし,もっとレースも練習も,というか単純に自転車に乗ることがさらに楽しくなるだろう.
まずはやっぱり苦手らしい坂を克服しなければ.そのためにはダイエットか!?

レース後,チームキッズの仲間と
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記事中の写真はtandegaさんのブログキョロキョロ宮古島さんのブログより拝借
(写真はクリックすると拡大)

by taka-taca | 2009-06-10 00:51 | レースレポート


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