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Pendenza20%「飲み喰らい魔ー日記」 第2部

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2010年 05月 10日

涙あり笑いあり,最後は地獄のエコパ5時間エンデューロ

昨日のレース中に痺れてた右足の外側に直径2cmくらいのコブができて腫れている.
触っても痛いし歩いても痛い.大丈夫か?俺の足...
それに何故か喉が痛くて声が枯れてる.風邪ではないし,カラオケに行ったりしたわけじゃない.
確かにレース中に俺らしくもなく時折“くそー!”とか声に出してはいたけど叫んでたわけではない.やはり5時間もゼーゼーハーハーやってれば喉も痛むということか.
それともNOZさんのように“あゆかビーム”にやられたんだろうか!?

脚自体はもちろん疲労感はたっぷりだけど筋肉痛もないし,思ったほどのダメージはないが,右腰から右足先の筋が痛い.
ということで今日はジョギングもローラーもできないからTipで水中ウォーク&ジャグジーでマッタリして完全休養.
それはそうと体重が70kg超!
富士山登りまくって,レースで5時間もがいても増えるってどーゆーことだ!?

さて,昨日のレースの話
今年初開催のバイクナビエコパスタジアムエンデューロ
種目はもちろんキング・オブ・エンデューロの部(3+2で5時間)
涙あり笑いあり,最後は地獄のエコパ5時間エンデューロ_b0047100_20115197.jpg


機材 
フレーム Bianchi FG Lite
ホイール Cosmic carbon SLR
タイヤ  TUFO S3 Lite チューブラークリンチャー 9気圧くらい
ギヤ   53-39×11-23

走行距離184km(アップ2周含む)




また寝付きが悪く,3時間くらい寝ただけで5時起床(というかとっくに目は覚めてた)
6時頃家を出て袋井のエコパスタジアムへ
なぜか心の底から“今日は絶対勝ちたい!”と言う思いが沸々とわいてくる.こんな気持ちは初めてだ.
いつもは“できる限りがんばって,あわよくば入賞”くらいの気持ちなんだけど,
今回はメンバーが薄いとかではなく勝ちたい,というか“絶対に勝つつもりで走る”,さらに“戦略は考えず,ひたすら踏んで踏んで踏みまくる”という無謀な考えも.
どーやら寝不足で頭がおかしくなっているらしい...

一応の作戦というか予定の行動としては,1周目から全開で引きまくり,1時間で集団を20人くらいに絞り込む.
勝負はそれから.有言実行するために,知り合いみんなに“スタートから一気に上げるから”と公言.
でも後方は迷惑だっただろうな(苦笑)

コース図を見ると何度か走ったツールド新城のように,公園内の狭い道路を走り,危険一杯な鋭角コーナーがいくつかある.
試走をすると“こりゃ大落車祭りだな”と身が引き締まる思い.
陸上トラックを走る感触は思ったより普通.ただザラザラして路面抵抗が大きくスピードは落ちるか.

レース前はトライアスリート&“チームめるこれでぃ ちゅっき”の愉快な仲間たち,ご近所桜台レーシングチーム,
そして千葉から遠征してきたURCのパンター似さんらと話してリラックス.
予想どおり,関東からも関西からも有名どころは来ていない.さらにもっと来ると思った三河系チームもまばら.
パンター似さんを見た時ビビったが,なんと3人でチーム戦だということで一安心.

レースは変則ルールで,午前中に3時間,昼休み1時間のあと午後に2時間走って5時間の周回数(1周4.3km)を競う.
一応3時間と2時間も個別に表彰があるが,そんなのは眼中にない.ていうかでなきゃ5時間に出る意味がない.
そんなのが欲しけりゃ3時間か2時間にエントリーすればいいだけのこと.

ともかく8時45分,まずは3時間の部のスタート
半周のローリングのあと本スタート.集団がドドドっと前に詰め寄り危険なのですぐに先頭に出て全開で踏んだ.
あっと言う間に集団は超縦長.でもこうでもしないと幅3〜4mのコースに直角シケインがいくつかあるコースでは危険がいっぱい.
最初4〜5人でローテするが,すぐに自分と,ご近所桜台レーシングのエースでるたろうさん,それに見知らぬ意気のいい兄ちゃんの3人だけで回すようになる.
常識的に考えれば5時間の体力を計算するところだけど,こーいうコースで集団の後ろに下がったら終わりだ.
とにかく早く少人数に絞って忍耐力勝負に持ち込みたかった.(その俺の忍耐力が一番問題だけど...)
細い直角コーナーの度に集団はブチブチ切れて,1時間もしないうちに30人以下になっていただろうか.
でもまだまだ.とにかく全員の体力を消耗させてからの勝負だと思ったのでペースは落とさない.前で回すのもきついけど,“後は後でインターバルになって厳しいはずだ”と自分を奮い立たせた.
しかしそれでもいつもの富士チャレや鈴鹿で序盤からプロ集団のスピードについて行くよりは楽で,自分で回してる分気持にも余裕があった.

そして1時間が経過するころ事件発生!
緩い下りから超狭い右直角に曲がる一番の危険ポイントに3番手で入ると,まず先頭が周回遅れにつまってブレーキ,
慌てた2番手が急ブレーキで後輪滑らせてラインが膨らむ.
何しろ3メートルかそこらしかない道幅の外側にはもう自転車1台が通る隙間はない.俺の目の前にせまってくるのは防護マットと植え込み...一瞬後輪をロックさせて自転車をインへ向けてみるが間に合いそうにない.
瞬間的に“マットに横向きでぶつかればショックは少ないと思いトライするが(何で転ける時にこんなに冷静なんだろうな?),ちょっと失敗して植え込みへ突っ込んだ.
植え込みに支えられてコケずに済んだが,クリートをはめなおしたころには先頭集団はすでにその先のカーブの向こうに消えていた.
その情けない姿をパンター似さんにバッチリ目撃され,自分でも笑えた.
考えたらビアンキーナ3号で落車は初めて.しかもホイールもまだ新しいSLR.
意外にもショックはなく,というかその瞬間に“これでもう思う存分使えるな,と思ったり(実際にはかすり傷程度で一安心)

“終わった...”と思う暇もなく(いつもの自分なら絶対気持ちが切れてた),猛然と集団を追った.
後から“枝が挟まってるよ”と言われ,走りながら引き抜いたが,前輪にも葉っぱがいっぱいからみついてる.
“ママチャリの反射板かよ”とちょっと笑えたが,止まって取ってる暇なんてない.バタバタして多少の抵抗はあるかも知れないがかまってられない.(結局最後まで数枚の葉っぱがくっ付いたままだった)

3周回個人TTで酸欠になるほど追い込み,何とか集団のしっぽが遠くに見えたがやはり追いつくのは至難.
心肺が限界だったから少しペースを落として,深呼吸.
ふと後ろを見ると4〜5人がくっ付いていた.さっき長い集団を抜いたときに付いてきたらしい.
そこそこ走れそうな面々だったから“これを利用しないてはない”と思いローテーションをうながすが,ペースが下がるだけ.
仕方なく1人で引き始めるとチーム戦の1人が協力してくれはじめた.
無言のままお互い眼で合図するように先頭交代してペースアップ.後ろ3人くらいはツキイチだけど気にしない.
結局すぐにみんな消えて,気がつけば2人.彼も“がんばって先頭集団を追いましょう!”と回してくれる.
しばらくすると,彼の知り合いがたまたま合流し,その彼も強く3人でさらにペースアップ.
3人は意思疎通していたから変なインターバルもかからず走り易く,気持ちよくて楽しくてしかたなかった.

そのうちに先頭からこぼれてきた数人を確認し追い抜き,さらにテンションは上がる.
そのまま最後まで行ければ先頭に追いつきそうな勢いだったが,彼ら二人は2時間経過辺りで“スイマセン,交代なんでここまでです”と離脱(泣泣泣)
ピットロードが異常に長く,彼らのチームメイトを待ってはいられないからまた一人で踏み始める.
もうやけくそだ.
まずは周回遅れにならないこと.そして,順位はもうどーでもいいけど最後まで全力を出し切ること.それだけを考えて踏み続けた.
“1時間個人TTかぁ”と気が遠くなりかけたけど,まだ朝の妙なハイテンションをキープしてアドレナリン全開で走り続けた.
最初の1時間は高速ローテ,2時間目はチームTT,そして最後は個人TTと1粒で3度おいしい(?)練習って感じか!?

しかしその頃には朝飲んだ痛み止めが切れたのか腰の痛みが激しくなり,徐々に右足が攣り始め,最後には右腰からハムストリングス,膝,フクラハギ,そして右足の小指までが痺れて力が入らない.それでもダンシングで勢い付けて左脚で回しながらごまかしごまかし走り続けた.
痛さと悔しさで時々涙がこみ上げてくる.そうすると,ただでさえ心拍170超で苦しいのに,喉がつまって息が吸えず,マジで酸欠で死ぬかと思った.泣くと胸がつまるからか呼吸できなくなるんだな.泣くとヒクヒクするのはだからなんだろうか?
そこまでして走り続ける理由を探すまでもなく,もう完全に頭がイカれていて,脚を止める気なんてまったくなかった.

気が変になりそうだったけど,コース脇に何人かの知り合いがいて“がんばれー!”
と声を掛けてくれて目が覚める.
そしてURCパンター似さんからはトップとのタイム差を教えてもらいモチベーションアップ.
もうどう考えても午後の2時間なんて走れないと思ったけど,それでも“ここまで来たら止められない”と後先考えずに踏み続けた.
最後の周回でトライアスリートさんに追いついた時には“よかった,この1周だけでも2人で回せば楽になる”と思いつつ何故かぶっちぎって1人で先行してしまった.
もう完全に頭が逝っちゃっていたようだ(苦笑)
ゴメン>トライアスリートさん

最後の15分が永遠のように長かったが,何とかトップにも周回遅れにならず無事ゴール.
3時間の部では6位だった(あれって3時間オンリーの人と同カテゴリーなのかな)
順位はどーでもよかったけど一応賞状もらって“最後の最後までがんばった甲斐はあったな”と気が晴れた.

ゴールして自転車を降りたら右足が痺れて感覚がなくて歩けず.
座りこんで靴を脱ぐけど全く戻らず.
“もう絶対走れない.ていうか立てない” “でも走らなきゃもったいない” “回復走がてらゆっくりでも走るべき?”
“走りだしたら案外走れるかも?” “うーん,とりあえず走るか” “うん,なんだか走りたくなってきた” と心の中で葛藤が続いたが,休んで昼飯食ってたら落ち着いてきた.
左脚はサラ脚とまではいかないが全然元気.しかし右脚はすでに死亡.腰からの痛みも痺れも治まらない.
とりあえず痛み止めの薬を飲んで着替えたりして気持ちを高める.
しかし前日あれだけ食ったのに,朝からベーグル2個,おにぎり2個,団子1本,羊羹1個,レース中はジェル3個.
昼にもベーグル1個におにぎり2個,団子2本とよく食った.
もう食うことでしかモチベーションアップを図ることはできなかった!?(笑)

これだけ食ってあと2時間走らずに帰るわけにはいかないし,スタート時間が近付く頃には薬が効いて痛みが和らいで,
自転車にまたがってみるとなんとか走れそうな感じ.
とはいえさすがに3時間もがきとおしただけにもう攻める余力のかけらもない感じ.
目的は,練習として手を抜かず,いけるところまで先頭集団について,千切れたらペース走,それも無理なら回復走でとにかく最後まで走ること.

2時間の部は1時15分スタート
やはりオッサンの体には長い休憩はかえって逆効果.筋肉が固まってしまっている.
こんな時マッサー桂ねーさんがいたら...

ローリング中に先頭へ位置取り,まずは序盤の危険回避のために,やっぱり先頭集団のさらに先頭でローテに加わる.
見ると意外にもチーム戦や2時間オンリーの選手よりも5時間ソロが多い.
午前中の表彰式で誰が自分の上にいたかなんてことチェックしてないから,誰が順位キープの当面のライバルなのかさっぱりわからない.
トップのでるたろうさんはやはり強く,今日の優勝者は彼であること,そしてそれにふさわしい走りをしていることを認めざるを得ない.
素晴らしいぶっちぎりの優勝おめでとうございます!>でるたろうさん,

さて,走りだすと薬のおかげで意外と脚は回り,何とか先頭集団のスピードに付いていける.
でもさすがに先頭引いてペースアップしたりはできないから今度は10番手くらいをキープして冷静に.
時々先頭には出るが,登りではもう集団を牽くなんてことはできず一定ペースを保つだけ.
しかし10番手以降に下がるとやはりインターバルがきつく,低速からの立ち上がりでは軽い選手に置いて行かれ,その間を詰めるために脚を使うことの繰り返し.これは大きなダメージ.
そうこうしてるうちに1時間が経過し“あああと1時間か”と安堵するのも束の間.
やはり2個目の薬は長くは持たず,一気に腰が痛み,すぐに右足先まで痺れ出した.

この頃には20人程度に減っていた集団のケツに付くだけで精いっぱい.もういつ千切れてもおかしくはない.
1時間20分が経過することだっただろうか,
しかし他の選手たちも一様に疲れが見え始め,“勝つんならここでアタックだな”(俺には関係ないけど)と思ってたら,
するすると前に出たでるたろうさん,がペースアップ.
集団は崩壊し,もちろん俺も千切れた.
こーなるともう脚は動かない.
ペースは一気に落ちて,“もう周回ラップされようがなにしようがかまわん”とさすがに諦めかけるけど,
“とにかく今日最後の最後までちゃんと走り切ることが大事だ”と自分に言い聞かせ,また個人TTモード(というよりはペース走)に切り替えた.
そのうちにまた気が付くと後ろに4〜5人ほど付いている.よっぽど俺が付きやすいペースで走っているのだろう.
せっかくだからこの小集団で回せば練習にもなるし前にも詰め寄れるかも,と思ったが,誰一人出てこない.
まあ俺が追いついた集団から俺に乗り換えてきたのだから前に出る脚はないということか.
別にライバルでもないし,気にせず進むが,人が下りでアウタートップでもがいてる後ろでフリーのラチェット音が“チリチリー”とか聞こえるとさすがにイライラしてきて,“もうこいつらまとめてぶっちぎってやる!”とまたネジが1本はずれ,次の緩い登りでギヤ掛けてアタック.
もちろん誰ひとり付いてこず,そこからまた1人旅.しかしこんなとこでアタックとかする意味は...

残り15分,とうとう完全に右脚が御臨終.もう痺れて叩いてもさすっても感覚がなくなった.
順位もわからないし,あとせいぜい2〜3周をヨロヨロ走る意味はないと思って止めようと何度も思ったけど,ここまで走ってあと15分やそこらではさすがに止めれない.
とにかく何とか左脚にがんばってもらってフラフラ進んだ.しまいには女子選手3人くらいにも抜かれたがもうどうでもよかった.
何度も時計を見るが1分も進んでなかったり...

あと10分,“あと1周で終わりだ”と思って一息つくが,時間終了前にゴールラインを切ってしまいさらにもう1周(涙)
さすがに最後は回復走よりも遅いペースでヨレヨレでゴール.
長かった,本当に長かった(だからレポートも長くなる)
でもこのインターバルコースを5時間,集団や個人TTでバラエティにとんだいい練習ができたし,最後までがんばった自分に満足(泣きごとはたくさんつぶやいたけど)
いつもならさっさと帰るとこだけど,仲間の表彰式を見たり話したりしてノンビリ.
どっちにしてもすぐには車の運転なんてできなかっただろうけど.
そして5時間の部の表彰だけが何故か優勝者だけ.まあ自分は入賞すら圏外だろうと思ってたからどうでもよかったが,これっておかしくないか!?
いちばんメインなはずの種目で,一番がんばった人のレースで,しかも一番エントリー費を払ってる俺達の表彰が1人だけってどーゆーことだ!!!
しかしレース事務局に殴り込む気力はなく,まあ練習としては満足して晴々して帰ろうと思って一応リザルトをチェックすると俺が2位!!??
トップとは1周差での2位とはビックリ.
ちょっと待て!こんなにがんばった俺に2位の賞状も商品もないのか!!??

さっきの3時間の賞状なんてメモ用紙にもならねーし,あんな入賞いらないよ.何のために5時間にエントリーしたのか...
まあいいや,どうせ賞状なんて取っておく人じゃないし,盾とかトロフィーなんて粗大ゴミに出すのも面倒くさいし.
大事なのは結果を自分の心に刻むこと.
と思いなおして晴々とした気持ちで会場を後にした.
ちなみに3位はトライアスリートさん.宮古島トライアスロンで30番台の彼.持久力も変態度も俺よりも数段上なだけにキッチリまとめてきたか.
しかし一緒に表彰台に乗りたかったよね.
なんだ,1位も3位も知り合いじゃないか(笑)
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さて,次はまたも地元の磐田3時間エンデューロ
今度はまさにド平坦のスプリント合戦だから俺にはまったく向いてない.
でも出るからには何か目標を持たないと.たとえば自走で行って,うちに帰るまでの平均時速で勝負するか(誰と勝負だ?)
がんばろう(前夜際から)

レース後帰宅してうちで晩飯.
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ビール1本,ワイン1本で1人祝杯(表彰台のない2位は喜びきれないが)

笑ったり泣いたり怒ったりと気分的にも忙しい1日だった...

by taka-taca | 2010-05-10 20:33 | レースレポート


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