Pendenza20%「飲み喰らい魔ー日記」 第2部

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2006年 05月 30日

ジロ・ディ・イタリア


この3週間毎晩眠い目をこすりながら楽しんだジロが終ってしまった.
いつもなら6月に録画放送だったのが,今年は何と生中継,しかも副音声で現地のイタリア語の放送が聞けて臨場感にあふれ最高に面白かった.(でも毎晩3時間もテレビの前に釘付けはしんどい...)
レースはバッソがあまりにも強すぎて優勝争いという点では盛り上がりに欠けたが,今年のコースは後半厳しい山岳ステージが続き,ステージ優勝争いが面白かったな.
何よりも,現地イタリアの放送とあって,オートバイでの追っかけ実況も聞けて,画面に映らない選手の様子も事細かに知れたり,ゴール直後の選手のインタビューも聞けて,ただレースを見るだけでなかったし,翌日のイタリアの新聞記事を読むまで楽しめた.
そして,なんと言ってもバッソとシモーニの場外乱闘は野次馬心を沸き立たせてくれた(笑)
日本のスタジオでは触れてなかったようで,その後ネット上ではちらほら情報が流れてるものの,まだ何も知らず,表彰台でのバッソとシモーニ間に流れた妙な空気に疑問を感じてる人もいると思うので簡単に説明すると,



問題の第20ステージ,あのモルティローロで,総合優勝をほぼ手中にしたバッソと,今年は調子がよく,山岳でシモーニが二人で逃げ,そのまま“一緒に” 下って,最後の登りでバッソがアタックして勝利したのだが,
モルティローロを超えた後の長い下り,どうやら下りが苦手らしくシモーニに付いてくのが厳しかったバッソがシモーニに“一緒に下ろう”と誘い,ロードレースのセオリーでもあるようにシモーニはバッソを突き放さず最後の登りへと向かった.
(ちょっと思い出したのがツールの山岳ステージで一緒に逃げたメルクスを置いてきぼりにしてステージ優勝をあげたヴィランク)
普通なら引っ張ってくれたシモーニにステージ優勝を譲るのがバッソの役割なんだけど,そのバッソが残り5kmでアタックしてそのままステージ優勝.ランスの王道をトレースするかのようだった.
普通にテレビを見てたら,“バッソ強すぎ”“でもステージはシモーニに譲るべき”とかでバッソファンとシモーニファンならずとも論争が沸く程度だろう.
しかしそれでは終らなかった!

レース後のインタビューでシモーニが,“確かに彼は強く,勝つべくしてかった.もし自分が勝ったとしてもそれは彼からのプレゼントでしかないだろう.でも,バッソが下りで待ってくれと頼むから待ってやったのに,残り5kmで自分に勝ちを譲るための金を要求してきたんだ.もちろん返事はノー.慈悲なんてあおがないと答えたよ”

と言うシモーニにバッソが歩み寄り,握手を求め和解を求めようとすると,シモーニは“謝罪は受け入れられないよ”と突き放し,すると今度はバッソが反論,
“確かに下りで一緒に行こうとは言ったけど,それ以外のことは嘘だ”
するとすかさずシモーニは“金額を言ってもいいのか?”と捨て台詞を残し,バッソに挨拶することもなくその場を立ち去った.

とまあこんな事件があってのあの表彰式だったわけ.
普通は最後に真ん中の一番高いとこに3人で立って,優勝者の手を2位,3位の選手が掲げるんだけど,シモーニが乗らないからバッソの台に乗りかけた2位のグティエレスは困惑して元へ戻った.

そんな表彰式の後,何とまた揃ってインタビューを受け,問題のレースに付いて触れられると,バッソは“ジロで勝ち,子供が生まれ,こんな最高な日をくだらないことでぶち壊さないで欲しい”と避け,シモーニも“これまでの長い経験上,いろんな選手と争ってきたが,いつも目で分かり合えた,でも彼(バッソ)は...彼が勝ったことは認めるけど,自分の中ではもう(存在を)消し去ったよ”と強く非難しつつも詳細については語らず,本当のところバッソが何て言ったのかは闇に消えた...

一般のスポーツファンにとっては“何でそんなことでもめるの?強い人が勝てばいいじゃん”って思うかも知れないが,自転車ロードレース,特にステージレースになると,ただ単純に速いだけでは勝てない.チームやライバルたちとの駆け引きやシガラミが複雑に絡み合う.
そこがまた面白かったりもするし,でも特に山岳コースでは力と力の一騎打ちみたいな勝負もたまには見たいんだよな.

しかし,ホントのところ,バッソがホントに金を要求したのか,
それともシモーニが嘘八百を並べてるのか当人以外にはわからない...
そしてどうやら自転車協会からシモーニが呼び出しをくらったようだ.6月の5日にシモーニがどう弁明するのか興味津々だ.

イタリアの新聞のアンケートでは,どっちが正しいか?(金がどうこうではなく,レース中の行動について)と言う問いに,
“バッソの方が強かったんだからシモーニを見捨てて当然”が52%,
“下りで助けたシモーニに勝たせるのが当然”が32.6%
“最後まで一緒に行ってゴールスプリントで勝負を決めるべきだった”が15.2%
という結果だった.
バッソ派が多いのは意外だったな.やはり女性ファンが多いのだろうか!?(笑)

それにしてもシモーニは2年前のジロでのクーネゴとの確執といい何かと騒がせてくれるな.
事実はどうあれ,思ったことを全身で(?)表現するとこが人間味があって面白い.
そんなところが多くのファンに支えられる理由の1つなのかもしれないな.

とまあ最後にこんな場外乱闘での盛り上がりもあって最後の最後まで(終ってからも)目が離せないジロディイタリアだったけど,
何だかんだいって,唯一バッソに喰らい付いたシモーニの走りは観客を魅了しただろうし,山岳賞のガラーテの走りも見ごたえがあったし,“今回のジロの山岳は地獄だ”という前評判どおり後半の山岳三昧は楽しめた.
そして何よりも,俺としてはTTでのウルリッヒの雄姿が見れたことに大満足♪

ツール・ド・フランスでのウルリッヒとバッソの戦いが楽しみだ.
もちろん山岳でシモーニや他のクライマーたちの争いも白熱することに期待.

そういえば引退もささやかれてるシモーニ,
インタビューでは“もう1年は今のチームで走るし,来年のジロも出る”って言ってたよ>メイさん
どこまで本心かわからないけどね.
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by taka-taca | 2006-05-30 14:11 | 自転車~練習とか~ | Trackback | Comments(4)
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Commented by メイ@及原ムメイ at 2006-05-30 21:47 x
そっかーーー。でも来年も走るかはどうなんだろね。
まあ、シモーニはやっぱりジロの人だから、引退するなら来年のジロでってのがいい気がするけど…
でもそこにバッソがいたら和やかな引退レースにはならないだろうしなあ。

つくづく私は、「バッソが強かったんだから」というとすれば、
「だったら下りでおいて行かないでくれ」なんて言わなければいいのに
と思っちゃうんだけどね。
いやしかし、それも含めて楽しかったね!ジロ。
Commented by taka-taca at 2006-05-30 23:33
>メイさん,
そーなんだよね.確かに登りでもTTでも平均的に強いバッソだけど,“下りが苦手”ってのはカッコ悪い.
ヴィランクだって,登りでメルクスを置き去りにした後1人で下りを走りきったからこそ讃えられる勝利だったわけだし.
総合で強いランスもウルリッヒもサボルデッリもみんな下りが強いからね.バッソがこのまま王様になれるかは疑問だな.

ともあれ,シモーニにはもう一花咲かせてもらいたいね.
あの“意地を見せるかのような立ちこぎ”結構好きなんだよな.
それに,いい子ぶってる選手ばかりよりも,シモーニとかヴィランクみたいな個性ある選手がいないとつまんないよね.

来年のジロはバッソ,シモーニ,クーネゴの三つ巴が見たいね(笑)
Commented by vitamontetsu at 2006-05-31 00:56
うひゃ~、これ本当だったら、バッソかっこわるいっすねぇ~。
この記事を読んでバッソ嫌いになってしまいました。ジロネタとしては面白いですけど。
mamecoroもバッソはもうダメみたいです。mamecoro的にはシモーニも似たようなもんみたいですけど。「スポーツ選手は、クリアで強くなくてはダメだ!」と申しております。
ツールではウルに頑張ってもらいたいですね!スマートな姿でツールを迎えろっ!
Commented by Taka at 2006-05-31 07:55 x
>vitamontetsuさん,
まだまだわかりませんよ.バッソは“そんなこと言ってない”って言ってたから,もしかしたらシモーニのでっちあげかも.
そしたらシモーニの立場は...
最近イタリアではサッカーの八百長が発覚して大問題になっていたところだけに,今回の揉め事も結果次第で“こっちもかぁ”とスポーツファンを落胆させるでしょうね.
自転車レースって心理戦でもあるだけに,レース中いろんなこと言い合ってるんでしょうねぇ.そういうやり取りがテレビで聞けたら面白いのにな.
でも,金で勝ち負けを決めるなんてことはして欲しくないですよね.
もちろんドーピングで勝とうなんてもってのほかだけど,これは毎回なんかしら出てきちゃいますね.
まあどこからがドーピングなのか線引きが難しいし,わざとでなくても引っかかる場合もあるし,選手ばかりは責めれないですけどね.

僕もレース前にわざと風邪薬とかカフェイン飲料とか飲んでみたことあるけど,何にも変わりなかったです(苦笑)


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