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Pendenza20%「飲み喰らい魔ー日記」 第2部

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2008年 11月 04日

富士チャレンジ200km

結果速報
18位 2644-高橋 孝典
タイム 5:14:06.40
ラップ 44周
トップとの差 +0:37:50.35
時速 38.1km/h

富士チャレンジ200km_b0047100_13194549.jpg
ツールド沖縄200kmを1週間後に控えて最終調整というか,200kmをノンストップで,しかもトップ集団にどこまでついていけるかテストする絶好の機会となる富士チャレンジ200kmに初出場.

機材 フレーム ビアンキFG Lite
    ホイール マヴィック コスミックカーボンSL
    タイヤ   TUFO S3Lite
    ギア    53-39×12-23 (ダレダレの中盤数周のみ上りでインナー使用)

体重(土曜朝) 67.8kg 体脂肪率 8.4%






5時間を超えるとなるとトイレとか水分補給とかが心配だったが,そのためにこの2か月,160km5時間強のノンストップ練を何度かしてきたから止まらずに走り切ることには不安はなかった.
問題は先頭集団,あるいはメイン集団にどこまでついていってちゃんとレースできるのか,ということだったが案の定集団から千切れた中盤以降は気持ちが切れて結局レースの半分以上を単独ペース走することになってしまった...

前夜は記述の通り御殿場高原ビール.ここでビールを飲むために富士や修善寺のレースに出るような感じだ(笑)
今回は一人っきりになりそうだったので,モニカを“アウトレットで1日遊んでていいから”と騙して(?)連れて行き,晩飯後は御殿場のホテルまで運転もしてもらった.
おかげでレース後が慌ただしく,どっと疲れる羽目になったが(苦笑)

夜はいつもなら緊張とか興奮で1時間おきに目が覚めたりしてまともに寝れないのに今回は7時間ほどぐっすり寝れた.
順位とかタイムとかまったく気にしないで練習のつもりだったからだろう.
アップもどーでもよかったから宿を6時頃出て6時半ごろサーキットに着くと入口で渋滞していたがこないだのモテギほどではなく7時頃には駐車場着.
ピットから一番遠いとこだったから必要な荷物をリュックに詰めて,車に戻らなくてもいいようにして受付へ行きギリギリでコースインして試走1周.
まだレースまで1時間あるし寒かったからゲートまでの道路で20分ほど軽くアップしてスタートの最前列へ並んだ.
半袖短パンに薄手のアームカバーでは寒く,時間もあったから一度トイレへ行ったのにスタート直前でまた小便したいような気がしたが,いざとなったらコース脇で○ちションするか諦めてピットインすればいいやと我慢.
結局レースが始まって体が温まったら収まって最後まで走り切れたけど,終始涼しくて最後まで汗はあまりかかなくて後半は小便を我慢するのも耐久レースの戦いの一部になっていた...

天気は気持ちいい秋晴れだが風がやや強く肌寒い.
レースは9時に一斉スタート.
200kmも100kmもチームエンデューロもごちゃ混ぜで2000人以上の一斉スタートは怖いの一言.
できればクラス別にずらしてスタートさせて欲しいところ.
とくに序盤の数周回は100kmやチームの人たちが威勢よく左右から前に出てきて道をふさいだりするのが危険.
もう何度もサーキットレースに出てわかってはいるもののやはり落車の恐怖が付きまとう.
なのでとにかく先頭付近をキープするために登りでできるだけ前をキープ.
今回10人ほどのプロ選手が先導してものすごい勢いで引いてくれたおかげで3周もすると大集団は落ち着き始めた.
が,まだまだ人数は多く,うっかりしてると中切れをおこすから,とにかく前へ出ることを考えるが,坂を登るたびに“ここをあと40回も登るのか...”と早くも憂鬱.

そこでふとメーターを見ると,何と心拍計はおろかスピードも反応してない!
大人数のスタートで心拍計が混線して反応しなくなることはよくあるけどスピードが反応しないってことはセンサーがズレたのか電池切れか.
手をのばしてセンサーをなおす余裕もなかったからあきらめて放置.しかし,これでは何周走ったのか全くわからなくなってしまう.案の定2周余計に回るはめになったし(苦笑)
うちに帰ってローラーで試したらちゃんと反応したからやっぱり混線でもしてたのか,それとも最近パソコンの無線LANもおかしいあたり,もしかして俺の体から変な電波とか電磁波とか発信してるのか!?(笑)

さて,レースは5~6周目(すでに何周目か把握してなかったので定かではない),先頭のプロ集団の引きは相変わらずでホームストレートでは長ーい1列棒状.
30番程度の位置にいると集団が伸びたり縮んだりしてその度にフル加速しなくてはいけなくなったりして無駄脚を使っていたのでもう少し前へ行ってみた.
とにかくストレートで休めないので補給食どころか水を飲むのもままならない.まだ食べる時間ではないけどその後どこで食えるのか不安になった.
7~8周目,身分不相応な位置,プロ集団プラス一般10人以内のところにつけてみるとこれが意外と楽(楽ではないが後ろにいるよりずっと走りやすいという意味で)で,ストレートのスピードにも一旦乗ってしまえばついていけるし,特に上りのペースがゆったりで自分に合うペース配分な感じ.
“なるほど,プロは上りで無理しないで脚を貯めて平坦や下りで稼ぐんだなぁ”と考えていたら,優勝者のT岡選手のブログにそんなことが書いてあり再度納得.

そこでペースが落ち着いて,1時間を超えたあたりで1個目の羊羹を食べた.
今回の補給食は1口大(2口くらいか)に切った羊羹をアルミホイルに包んで,握ればムニュっと出てくるようにしといたのを3個(これは食いやすかったしゼリーよりずっと美味い),食った気がするものも欲しかったからソイジョイ2本.
勝負かかってもすぐ食えるようにとパワージェル2個.
ボトルはクエン酸とトップテンを入れたのをロングボトルで2本持ったけど寒かったせいで半分近く残した.

気がつくと自分の前にはプロ10人ほどと200kmソロ4~5人しかいなくなっていたが,とても自分が最後までついていけるようなペースではないのでむしろ後ろがどーなってるのか気になったが他クラスや周回遅れとグチャグチャでまったくわからない.
とにかくいけるとこまでついていくしかないと前だけを見る.
まわりは有名人ばかりでかなり場違い感を感じたがトップ選手のペースを体感するには絶好の機会となった.
とにかくきつかったのは上り終わってホームストレートに入るときの加速と第1コーナーから下り始める時の加速についていくことだったが,幸い上りのペースがまったり(俺的には十分速いが...)だったから何とかついていけるが,毎周毎周“もうそろそろこの列車を降りてもいいだろう”と自問自答に入りだす.
富士チャレンジ200km_b0047100_232490.jpg

そして1時間20分が経過するころ(12~13周目くらいか?)上りの後半でいきなりペースが上がり(というより自分が落ちたのか),それに付き切れずにストレートの入り口で千切れてしまった.
とても単独では追い付けないので後ろの集団に乗ろうと思ったが振り返ると誰もいない...
どーやらその時点で“入賞圏内部外者”の最後の生き残りだったようだ(苦笑)
あの集団に1時間半ついていけたことは今回の一番の収穫だったけど,あの一瞬であきらめたのが精神的な弱さだ.

とりあえずメイン集団に復帰したいところだが一向にそれらしき集団がこない.先頭集団についているうちに後ろを大きく引き離したらしいが,レース中はバラバラに抜かれまくって順位をどんどん落としていると勘違いしていた.
何しろ周回数すらわからなかったし...

完全に独走状態で1時間ほど走ると先頭集団にパスされて周回遅れ.
まだ半分くらいなのに気持ちが切れて呆然と坦々と走るのみ.とにかく200km,5時間半くらいをノンストップで走る練習だと思ってひた走るが,さすがに飽きてきて毎周回富士山を見るたびに“150kmくらい走れば十分だろう.このままダラダラ走っても意味ないし,腰も痛いから無理しないでリタイアしてモニカが待つアウトレットへ駆けつけよう”という悪魔のささやきと,“ダメダメ,今日も途中でやめたら沖縄へ行く意味すらなくなるぞ.とにかく200km走りきって自信をつけないと”という天使(ん?こっちが悪魔か?笑)のささやきが交互に聞こえる.

そうこうしているうちに3時間を経過し,もう口ずさむ歌もネタ切れになる頃また先頭集団に抜かれ,しばらくしてその先頭から千切れたらしいT中選手を含む第2集団にパスされた.
そこにいたHじぃさんにも“ここについて!”と激を飛ばされたが,周回遅れで集団に加わるのは何となく本意ではないし(実際には周回遅れ,というかその時点で自分と同周回の金城編集長を含む直接のライバルだった人たちが数人いたから付くべきだった...),もうすっかりやる気なくしてマイペース走行だったのであっさり見送った.これはレースが終わってから後悔したが遅すぎ.というかあの集団のメンバーをもっとよく見るべきだった.T中選手を見てすぐに“彼のペースについていけるわけない”と諦めてしまい,ここでも自分の精神的に弱いところを暴露.
富士チャレンジ200km_b0047100_2325512.jpg

そこからまた単独マイペース走行だけど,下り区間の向かい風が強く,さすがに一人ではつらいから小集団の後ろについてはすぐに前へ出る,を繰り返し前へ進み,追い風のホームストレートは下手に小集団につくより自分で行った方が楽で速いから独走.後ろに小集団がはりついてもまったく気にしない.どーせ順位なんてもうどーでもよかったし,沖縄でも集団から千切れても単独でゴールまで走り切ることも想定しての練習のつもりだったし.
この頃になるとかなり精神的にはまいっていて,やめようか,とりあえず小便でもしようか,とか考えつつ,トイレでピットインしたらホントにそのまま止めちゃいそうだったからとにかく走り続けた.
あまりにまったりしてたから“このままじゃ200km走るのに6時間くらいかかるぞ”と途方に暮れだしたころ,CCDジャージにディスクホイールでチーム戦のイキのいいお兄さんに抜かれ,ちょっと目を覚まそうと後ろに付いてみたらそのままえらい勢いで丸々2周引っ張ってくれた.
その後先頭集団に3回目のラップをされたとき,その兄ちゃんは飛び乗って消えていったが,おかげで目が覚めて体に力が戻ってきた.

終盤もずっと一人で走っていたんだけど気がつくと毎周回同じ10人くらいの集団に裏の向かい風部分で抜かれる.
まるでデジャビュでも見てるかのように...
冷静に考えたらその後上りで一気にペースダウンする彼らを俺が毎周回抜き返してホームストレートで引いていたようだ.
そんなことを繰り返しながら4時間半を過ぎると“あと1時間だ”と思い急に元気が出てきた.
そこへ来たのが真下選手(女子のプロ?)率いる10人ほどの200kmソロの集団.
もしかして彼らは同一周回のライバル?と思いその集団にはつかねばと思い,ちょっと後ろに付いて見たがやはり彼らも登りが遅く,すぐに自分が前に出てそのまま置き去りにして再び単独走.
しかし腰は痛いがさっきよりは和らいだ気がしてしかも脚には余裕あり,何よりも気持ちがもどってきたおかげで力がわいてきた.
それまで眠いくらいたるんでたのが一気に目が覚めてペースアップしてゴールを目指した.
そこまでの数周は上りでインナーを使いだしてたけどまたアウターのまま登り切る力が出てきたのはやっぱり気持ちの問題なのだろうか.

が,何しろ今何周目なのかさっぱりわからない.トップに3周遅れってことから考えて5時間半走れば大丈夫だろうと思い,その頃抜きつ抜かれつしていた5~6人がゴールしたらやめればいいかと決めて彼らと前後しつつ走った.
その中の一人がゴールしたがもしかして自分より1周早いかもしれないと思いクールダウンがてらもう1周.
実際には先にゴールした彼は自分より周回遅れで俺はその1周前にゴールしていたらしい(苦笑)
で結局2周余計に走ったわけだが,記録上ゴールした後の1周が集団から千切れてから一番速かったかも(笑)
ホントはビタ1周たりとも余計に走りたくなかったのに...

そうして5時間半くらい,46周(レースは44周)で209kmを走り無事レースを終えた.
一番心配だったパンクもなく,トイレも行かず補給食も足りてちゃんと完走できて一安心.
ピットに戻り速報を見ると18位!?
てっきり50位とか下手すれば100位くらいかと思っていたのにこれまた中途半端にいい順位.
それならもっとがんばっときゃよかったなんてのは後の祭りだ...
とにかくこれで富士150km,鈴鹿4時間,モテギ4時間と続いたリタイア癖からよーやく抜け出せたし,沖縄200kmもよほどのことがなければたとえ集団から千切れても完走できる自信はついた.
途中で投げ出さないで本当によかった.
欲を言えばレースを戦うことを投げ出さずにもうちょっとがんばるべきだけど,まあ今回は一歩前進ってことで.

今後,というか来年への課題もハッキリした.
とっくにわかってることだけど,あいかわらず集団の急なペースアップについていくのがきつい.
普段単独練ばかりで集団のスピードの強弱に合わせて走ることに慣れていないからだろうけど,単独練でも所々でインターバルを入れないといけないんだろう.
わかっちゃいるけどあんまりきつい練習は精神的に続かないんだよな...

とにかくまず沖縄200kmは絶対何が何でもゴールまで辿り着く.
自分がどれだけ走れるのか不安でもあり楽しみでもある.
そして無事走り終えての打ち上げがさらに楽しみ!
あとは天気だけが心配だ...

by taka-taca | 2008-11-04 13:19 | レースレポート


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