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Pendenza20%「飲み喰らい魔ー日記」 第2部

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2008年 11月 18日

ツールド沖縄 市民200km レースレポート 前半100km ~地獄絵図~

このままじゃラチあかないのでとりあえず週末に書いた途中までアップ


結果 73位/完走168人中(出走330~340人くらい)
タイム 5時間44分33秒(トップから14分51秒遅れ)

機材 フレーム ビアンキ 2005フレッチャチェレステ
   ホイール キシリウムSL 
   タイヤ  TUFO S3Lite チューブラークリンチャー 10気圧
   ギア   53-39×12-25(10s)

ウエア 半そで 短パン ペラペラのナイロンベスト


ツールド沖縄 市民200km レースレポート 前半100km ~地獄絵図~_b0047100_622152.jpg補給食 カーボショッツ3個,パワージェル2個,羊羹3個(チョコパンとジャムパンを用意してあったけど雨でぐちゃぐちゃになると思ってやめた)








ツールド沖縄 市民200km レースレポート 前半100km ~地獄絵図~_b0047100_6224979.jpgデータは何とI bike 浸水で...(泣)
すでにメーカーに送付されて,たぶん補償でなんとかなるだろう.
けどデータが...こんなことならポラール付けてくべきだった.









ゴールの瞬間も期待したほどの感動もなく,やり遂げた満足感もなく,自分でもこの気持をどう表現していいかわからない.
ただ,みんなが口をそろえて地獄絵図というほどの状況の中,最低目標の100位以内完走は果たしホッとしている.
しかし一体どれだけがんばれば“ただ完走するだけ”のレベルから一歩上へ行けるんだろうか...
今回特に登りのたびに自分の力のなさを思い知らされてかなり凹んだけど,高江あたりから源河までは仲間にも恵まれやる気を取り戻してがんばれたのが収穫.

レースの展開はすでにいろんなブログで書かれているし,そもそも俺はレースの展開に絡んだわけでもないから細かいレース経過はおいといて,
初めてホビーレースの頂点とも言えるこの長いレースを走りながら想ったこと,後半はこの順位なりにいろんなドラマがあったこと,来年の自分に向けての反省点を書き記してみる.

金曜日の試走の疲れと腰痛がかなり出ていた土曜日,一緒に本部半島を1周したSIGさんならわかると思うが,金曜日にちょっと走りすぎたとはいえ脚が全く回らず腰が痛くてまったく踏めず,サイクリングどころか拷問の50km,SIGさんをたびたび待たせてしまい情けない状態に土曜日の夜は“本当に200km完走できるのか?”と不安しかなかった.
が,レース当日は思いのほか脚は楽になり,腰の痛みもだいぶ和らぎ,十分普段通りに走れそうな状態に回復し,やる気もでて4時半頃起床.
朝飯をしっかり食って,自転車の準備をする頃外はまだ暗く,すでに強風が吹き荒れ,雨も次第に強くなりモチベーションは下がる一方.
本州でのレースなら絶対DNSを決め込むところだが,沖縄まで来て,しかも去年のリタイヤの雪辱を晴らさずに帰るわけにはいかない.
金曜日もそんな思いで土砂降りの中試走までしたんだし,レースも迷わず出走.
雨の日に走るなんてヒルクライムのレースか,乗鞍直前にどーしても練習したい日に乗るくらい.それが5時間以上ものロードレース,しかも雨中の集団走行は初めてのことで頭の中は不安でいっぱい.
落車の危険もそうだけど,よくテレビで見たり聞いたりする“顔が泥だらけ”とか“前車が跳ね上げる泥水で口の中がジャリジャリ”とかになることへの不安というか,ほとんど絶望感でいっぱいだ...(苦笑)

ツールド沖縄 市民200km レースレポート 前半100km ~地獄絵図~_b0047100_63145100.jpgスタートの位置取りとか右も左もわからないので幸い同宿だった超人ひでジイさんに付いて宿を出てスタート地点に向かった.
そのひでジイさんと共に先頭付近に並び,強風,降りしきる雨の中,わりと落ち着いてスタートを待ちながらスタート30分前,そしてスタート直前にも茂みで用を足していよいよスタート.
すぐ目の前にいた片山右京にはキャンギャル!?(笑)
(写真:メイさん)

ツールド沖縄 市民200km レースレポート 前半100km ~地獄絵図~_b0047100_634950.jpgまだ薄暗いなか降りしきる雨,ORIONのノボリをバタバタと激しく揺らす強風に緊張感のかけらもなく高揚感もなく号砲とともにスタート.







状況が状況なだけに,いつもにも増してみんなが危険回避のために左右から前へ前へと繰り上がって来る.
ちょっとうっかりしてるとすぐに100人くらいの中に埋もれて身動きが取れなくなってしまい怖い.
それでもサーキット耐久系や去年の130kmのように罵声が飛ぶこともなく安定している.さすがは沖縄200kmに出るだけあってみな安定した走り.
周りにはinoue君,O内君,ひでジイさんら知り合いの顔が見えるから安心感があり,時折話をしながらリラックスしつつ顔は前をみて緊張感は緩めずに.
名護の街から本部半島へ入り,海岸沿いに入ると風はさらに強まりしかも向かい風.
あまり前の方にいると風を受けて余計な足を使うことになるが,それよりも集団に埋もれたくない一心で常に2~30人以内くらいの位置をキープして,端っこの側溝のフタとか路面のデコボコに注意しながら前車の動きに合わせて進む.
何度も池状態の水たまりに突っ込むが避ける余裕はない.
道路状況が分かりにくい中,センターラインにポールが立ってたり,工事中でいきなり道幅が狭くなったりとこれも“ツールっぽいなぁ”なんて思っていると後方でガシャーン!ウォー!と落車の音と叫び声.
国頭村までの平坦部で3回ほどの落車を耳にした(実際はもっとあったかも)

晴れてる日のように前車の真後ろにぴったり貼り付くと,跳ねあげられる泥水をまともに顔に浴びるので顔をちょっと斜めに向けたりしてみるが途中から諦め...
噂通り(笑)口の中がジャリジャリしてくるし,クリアサングラスは水滴と曇りでまともに見えない.もう半ばやけくそ気味に集団に身をゆだねる.
集団に埋もれてればまったく風圧を受けず楽なのはわかってはいるが,状況が状況なだけにやはり常に前に行きたい気持ちがあって右か左の端をキープしながらできるだけ前へ出る.
すると風を受けて平坦部でなんだかんだで結構疲れた.しかも気がつくと集団の先頭だったり...(苦笑)
おまけに真っ平と思っていたけど本部でも一度軽い登りがあり(山岳とか書いてあったけど地名か!?),普久川へ上る前に結構な消耗.
200kmなんて130kmプラス平坦アップなんて言う人もいるがやっぱり200kmは200kmだと実感.

1時間ほど経ったころ補給食の羊羹を食べ,何となく気持ちが落ち着いた,と思ったら何となく小便したくなってきた...
すぐにしたいわけではないけどゴールまで持ちそうな感じではない.やはりこの雨風では汗かかない分小便にまわるのか.
“まあ山岳で遅れたらどこでもできるし”なんて思っていたら50km過ぎたあたりの人気のない海岸線で前でも後でもパラパラと立ち止まり立ち〇ョンをし始めた.
ここしかないと思い自分も止まって立ち〇ョン.
沿道にずらーっと並ぶ自転車をみて“おお,テレビで見るプロのレースシーンみたいだな”と感動(?笑)しつつも急いで用をたし,次々に再スタートする人たちと小集団を作りメイン集団を追いかける.
オフィシャルカーのさりげない引きもあり,なんなく集団復帰.経験者から聞いていたとおり何の心配もいらなかった.
さらに右端をすり抜けすぐに先頭付近にも復帰.ひでジイさんに“小便してきました”と報告(そんな報告いらん!?)
この辺ではもう完全に雨は気にならなくなっていて,ようやくレースらしい高揚感を感じ始めた.
景色を見る余裕も出てたけど,重い灰色の空や黄土色に汚れた海を見てもテンション下がるので見入ることはなかった.
ツールド沖縄 市民200km レースレポート 前半100km ~地獄絵図~_b0047100_2248964.jpg

(背中のポケットから羊羹を取り出してるところ)

大宜味村の海岸沿いのまっすぐな平坦はもろに向かい風で,集団のスピードは30km/h程度でまったり.
とりあえずこの時点で数名の逃げから集団まで3分以上に差が広がっていた.
優勝を狙うT岡選手とかがやや苛立ちを見せ始め,集団のペースを上げようとしたり,N村店長が一人で飛び出していったりするが集団のスピードはまったく上がらず.
自分に脚があれば協力したい気持ちは山々だけど(結構アシスト願望があったり!?笑),俺みたいなのがこんなとこで脚使ってたらマジで完走すら危ういので黙って彼らの後を付いていく.
一度5~6人と集団の差がちょっと開いたときに“一回くらい集団から出てみたいな”と妙な気持ちが湧いて単独で追ってみるが,ただ単に集団の連結役になりあっさり集団復帰.
ひでジイさんにも“タカさんこんなとこで慌てなくていいよ,すぐ追いつくんだから”となだめられた(苦笑)
わかっていても無駄脚を使いたくなってしまうのは,やっぱりアシスト向きなのだろうか?(笑)

2時間ほど経過してようやく国頭村へ入り,2つのトンネルを抜けていよいよ普久川ダムへの登りへ入る.
このトンネルは去年も通ってるので不安はないが,危険回避のために先頭付近をキープして突入し何事もなく通過.
そしてついに登りが始まると一気にペースが上がった.俺的にはありえないハイスピードで集団が一気に縦長になっていく.
有力選手らが引っ張っていく中,それについていくinoue君の雄姿を見送りつつどんどんと抜かれていく.
どこかの小集団にとどまろうとするが脚がまったく回らない.去年はもっと軽く登れたし(今思えばペースが遅かったんだろう),
金曜日に試走したときはもっと楽に感じたのに.
これがツールド沖縄200kmなのだ.“一体自分より強い人が何百人いるんだ!?”と泣き顔になりながらペダルを踏むが,100人,いや200人くらいに抜かれたんじゃないかと思うほどゴボウ抜きされた.
乗鞍チャンピオンクラスでもこんなに豪快な抜かれ方をした記憶はないし沖縄200kmを甘く見ていた...

雨は依然強く降り道路には川がながれるほどでスリッピー.
金曜日の試走でもそうだったように立ち漕ぎするだけで後輪がズルッと滑るのでなるべくシッティングで淡々と登る.
ようやく山頂へ辿り着くころには集団はまばら.
そしていよいよ恐怖の下りだ.
下り始めてすぐの右カーブ.そう,去年俺がコースアウトしたあのカーブ.
“あの土手に50km超で突っ込んだんだなぁ.よく無傷で帰れたなぁ”なんて感慨(?)にふけってると,目の前の2台が滑って落車!
危うく自分も絡みそうだったが冷静にインへ避けて無事通過.こういうときにはコケた自転車を目で追っては絶対にいけない.
オートバイでもそうだけど,見た方へ自然と行ってしまうのだ.
その先でも何やらコーナー毎に自転車が横たわり人が膝を抱えて座っていたりうなだれていたりする.落車オンパレードだ.

登りで遅れた分を取り戻すとか言ってる場合ではないが,前車が遅い場合は抜いたほうが安全なので慎重に追い抜きを繰り返す.
ガンガン行ってる人もあてにはならないのであくまでも自分の判断で下っていく.
思ったほど怖くはないが,とにかく慎重に,特にブレーキがまったく効かないから先が見えないコーナー手前では数十メートル前からブレーキレバーを握りっぱなしで何とか減速.この判断を数秒誤ったら一貫の終わりだ.
そうして単独走行をしながら前を吸収したり後ろから追いついてきた人たちで集団ができ始め,奥の登りでは50人くらいになっていただろうか.
金曜日にきついと思った奥の坂道も集団だとかなり楽に感じ,少し元気を取り戻しその集団の前位置をキープ.
そして辺戸岬を越え,また普久川へ向かう途中のトンネルで悲劇が起った.
その少し手前でようやくメイン集団に追いつき,その先頭にinoue君がいるのを確認し“すげぇなぁ”と感動していたのはいいが,そのメイン集団のケツに追いついてから完全に連結するまでにエライ時間がかかった.
そこまで結構必死で飛ばしてたから脚にきていて,やっと追いついた安心感で力が抜けたって感じだが,むしろこれが自分にとっては功を奏した.

それでも何とか集団のケツに連結し,目の前のトンネルに入ろうとすると,そこには自分の目を疑うほどの飛散な光景が広がっていた.
かなり広いトンネルの端から端まで自転車と人が転がって叫び声が響き渡っている.
もちろん集団後方にいた自分たちもすぐに止まれるわけはなく,自分の周りも何台か突っ込んで落車.
俺もほとんどあきらめつつも,なんとか逃げ道を探し,自転車1台入りそうな隙間目がけて慎重にリアブレーキをかけてギリギリのところで停車.したはいいが後ろから突っ込まれる恐怖に怯えしばらく立ちつくした.
がとりあえず事なきを得て落車は回避.
おそらく100台,いや150台以上はコケただろう.おまけに立ちあがって走り出そうとしてまたコケる自転車もあちこちに見られる.
自分も走り出そうとしたら後輪が大きく滑り,シューズで路面を確認すると何とまるでスケートリンクかワックスが掛かったタイル床のようにツルツルじゃないか!

あれではちょっとでもフロントブレーキをかけたりハンドルを曲げたりしたら即転倒だ.
とにかく落車した人たちには申し訳ないが,先へ進む人たちに付いて,脇をすり抜けながら走りだした.
そしてトンネルを抜けてすぐ,その路肩にinoue君の姿が...
何やらハンドルをぶっ叩いていたのでステムが曲がったんだろと思い,止まって一緒に行くのを手伝うべきか迷ったが状況が読めないので申し訳ないと思いつつ通過.
しかし目標にしている彼のトラブルを目にして一気に戦意喪失.
それにあれだけの人数が落車するなか順位を上げることには何の意味も見出せないと思い.“とにかく今年はまだ全貌を知らないコースの下見がてら完走だけはきっちりするんだ.それにこれだけの悪天候を経験すればもう怖いものはないはず”と気持ちを入れ替えて落車を避けた人,落車から復帰した人で小集団を作りながら2回目の普久川ダムへの登りへ向かってペダルを踏んだ.

後半へ続く...

by taka-taca | 2008-11-18 06:36 | レースレポート


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